ブログBlog
- ブログ
- スプリングテール(トビムシ)を使った苔テラリウムのカビ対策方法
Blog
スプリングテール(トビムシ)を使った苔テラリウムのカビ対策方法
苔テラリウムを育てていて悩まされるのが「カビ」。作ったばかりのテラリウムや、季節によっては、どうしてもカビが発生しやすくなることがあります。
今回紹介する新たなカビ対策は「スプリングテール(トビムシ)」を使ったカビ対策。
テラリウムの中にカビを食べてくれる生体を導入することでカビを抑える。自然の生態系をお手本にした、薬や殺菌剤に頼らないカビ対策です。
増えすぎちゃわないの?脱走しないの?などの不安を解消すべく、いろいろ試して実験した結果、これは自信をもっておすすめできる!という結果に。
今回はテラリウムの強い味方、スプリングテールについてご紹介したいと思います。
〇苔テラリウム「カビ対策」についての記事リストです。あわせて参考にしてください。
スプリングテールって何?
スプリングテール(トビムシ)は落ち葉やカビなどの菌類を食べて暮らす、体長1mm程度の小さな生き物です。森の掃除屋さんとも呼ばれています。
日本に生息しているトビムシの仲間は約360種類。拡大すると可愛らしい姿をしている種類もあり、密かに人気があります。
ヤドクガエルなど小型両生類のエサ用として、アクアリウムショップで販売されていることもあります。
アヤトビムシ
アカイボトビムシ
羽があって飛ぶわけではなく、ピョンピョンと跳ねるように飛び跳ねることがトビムシの名前の由来。種類によって飛び跳ねないものもいます。
英語名「スプリングテール」も、飛び跳ねる様子からついた名前なのでしょうね。
スプリングテールを使った苔テラリウムのカビ対策
菌類を食べる生体を使って、苔テラリウムに生えてしまったカビを駆除できないかという試み。
海外では生態系テラリウムとして、スプリングテールを利用することがあるようです。海外のテラリウム作製系YouTubeにはわりとナチュラルにスプリングテールが登場します。生態系を作ることに関心があるのかもしれません。
実際にカビが生えてしまったテラリウムにスプリングテールを入れたところ、3週間程度でカビがなくなりました!
しっかり食べてくれたようです。
殺菌剤のように即効性があるわけではありませんが、発生初期~中期のカビであれば問題なく駆除できそうです。
なにより、農薬を使わずにカビ対策できるのはよいですね。
※スプリングテールは35℃以上になると活性が落ち、カビを駆除する能力が低くなります。
※カビが広がってしまっている場合、ベンレートなどの殺菌剤を使用した方が即効性があります。
流木レイアウトには最初から入れるのがおすすめ
流木やコルクなどカビが発生しやすい素材を使った作品には、最初からスプリングテールを投入するのがおすすめ。
流木やコルクを使った作品は、テラリウム内のバランスが整うまでの2ヶ月ほどが一番カビが発生しやすくなります。最初にスプリングテールを投入しておくことで、カビの発生を抑えることができます。
不安① テラリウムの中でふえすぎてしまわないの?
スプリングテールがテラリウムいっぱいに増えてしまわないか心配ですよね。
スプリングテールは菌類を食べて暮らしている生き物です。テラリウムに発生したカビを食べつくしてしまったら、エサがなくなってしまうため、自然と数が減っていきます。
実験のため、スプリングテール入りのテラリウムをいくつか育てていますが、カビを食べつくして1-2ヶ月すると、彼らはほとんど目につかなくなります。
(ちなみに、餌を与え続ければビックリするくらい増えますよ!)
スプリングテールを増やすことはできる?
自分でスプリングテールを増やしてみたい!と思った方へ。タッパー・ベラボン・ドライイーストを使った増やし方を解説します。
タッパーにベラボンやバークチップを敷き、水でよく湿らせます。スプリングテールを投入してフタを閉めて置けばOK。
餌はドライイーストです。確かに、菌ですからね。
ベラボンの上に適当に振りかけておきましょう。振りかけたドライイーストがなくなったら、足すようにします。
季節にもよりますが、餌を与え続ければ、一ヶ月くらいで数十倍に増えます。
乾きと高温には弱いので、常に湿った状態をキープし、できるだけ30℃以下になるようにしておきましょう。
不安② テラリウムから逃げ出さないの?
テラリウムの中のスプリングテールが部屋に逃げ出してこないか心配ですよね。スプリングテールがテラリウムから出てこないのか実験してみました。
うっかり飛び出してこられそうな、背が低いタイプのテラリウムを用意。中にはスプリングテールが入っています。
周りを黒の粘着テープで囲いました。スプリングテールが出てくると粘着テープにくっつく、ゴキブリホイホイのような仕掛けです。
今回は実験のため、100匹以上のスプリングテールをテラリウムに入れてみました。カビ対策には10匹も入れれば十分です。
この状態で、3日間放置。スプリングテールが逃げ出して、トラップにかかっていないか観察します。
3日後の様子。テラリウムから逃げ出している個体はいませんでした。
普段はコケの影に隠れているため、コケごと容器から取り出さなければ、室内に逃げ出してしまうことはなさそうです。
スプリングテールを使ったカビ対策まとめ
◆菌類を食べてくれるため、テラリウムのカビ対策になる。
◆増えすぎてしまう心配はない。
◆テラリウムから逃げ出してしまう心配はない。
◆薬品を使わずカビ対策ができる
生き物を入れるのはちょっと…と思う人もいるかもしれませんが、容器の中に生態系をつくるのもテラリウムの醍醐味。自然の森の中でも生態系を下支えしているスプリングテールを活用するのは、理にかなっているのかもしれません。
この記事を読んで、いいなと思った人は是非スプリングテールを使ったテラリウムのカビ対策に挑戦してみてくださいね。
スプリングテールを利用した苔テラリウムの作り方は、この動画を参考にしてください。
〇やっぱり殺菌剤でカビ対策したいという人には「ベンレート」がおすすめです。
苔テラリウムの育て方疑問・質問はこちらを参考にしてください。