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「北八ヶ岳苔の森で過ごす休日」開催の様子
昨年に続いて二回目となった麦草ヒュッテと道草michikusaのコラボイベントを開催してきました(2019年8月24日開催)。「北八ヶ岳苔の森で過ごす休日」と題して、コケさんぽに・苔テラリウム作製に・コケ懇親会に、丸一日コケ尽くしになっていただこうという企画です。
アクセスのそれほど良くない場所にも関わらず、なんと17名もの参加者が!
コケさんぽは「地獄谷」
午前の部は麦草ヒュッテ山小屋のおじさんと歩くコケさんぽ。北八ヶ岳苔の森というと、最近はどうしても白駒の池周辺のイメージ。同じように魅力的な苔の森は周囲に広がっています。
週末は人で混み合い、ゆっくり観察しにくい白駒の池から少し離れて、山小屋のおじさんおススメのスポット「地獄谷」へ。
地獄谷はその名の通り、谷になっている場所なのですが、八ヶ岳の古い火口の跡なのだそうです。大きな岩がゴロゴロと転がっていて、その岩が苔むした様子が楽しめます。気温が谷の上よりも3~5℃くらい低い感じで、岩の隙間には雪も残っていました。
この地獄谷は2年に一度、池になるそうで、来年は池になってしまう年。なんかそういうのも不思議ですよね。
写真は2016年7月 水没した状態の地獄谷
こんなコケが観察できました
北八ヶ岳の苔の森に出かけて、木道沿いで一番目に付くコケは、セイタカスギゴケ
セイタカスギゴケとセットで生えているのは、コセイタカスギゴケ。胞子体があがり始めで綺麗でした。
刺繍のように美しいイワダレゴケ。年に一段成長する年次成長がポイント
高原の美人さん。フジノマンネングサ。 実は道草ジャゴケおじさんも、麦草ヒュッテ糞ゴケおじさんも、フジノマンネンが一番好き!(変わったものに興味があるけど、好きなのは美人さんです…
【番外編】いつ見ても美しいサルオガセ(地衣類) 触りたい・包まれたい
【番外編】苔の森はキノコの森。小さな妖精のようでうっとり
苔テラリウム作り
午後からは、午前中に見た苔の森の風景を、思い浮かべながら苔テラリウム作り。北八ヶ岳に自生するコケは標高の高い環境に適応した種類のため、低地に持っていくと、テラリウムの環境でもうまく育たないため、ヒノキゴケやホソバオキナゴケといった、暑さにも強いタイプで作りました。
山に行くと、どうしても綺麗なコケが気になって、少しならと記念に持っていきたくなってしまうもの。ということで、麦草ヒュッテさんのショップでも道草の低地向きのコケで作った、苔テラリウムをお土産用に販売していただいています。
◆北八ヶ岳周辺は国定公園の特別保護地区に指定されていますので、動植物の無断採取が禁止されています。
夜のコケ懇親会
日帰りプランもあったので、苔テラリウムでお帰りになった人もいましたが、宿泊の方々は夜のお楽しみ「コケ懇親会」。親睦を深めるだけでなく、お酒が入ったからこそ話してしまう、苔のウラ話など大いに盛り上がりました。
島立さんの糞ゴケの紙芝居も、この時に披露していただきました。次回は、お泊りプランで参加が絶対にお得ですよ!!
島立さんが実験中の糞に生え始めた、糞ゴケ…
朝焼けと各自のコケさんぽ
山小屋の夜は早いのですが(通常21時消灯)、懇親会が盛り上がりすぎて23時まで… それでも綺麗な朝焼けを見るために5時には起床早起きしました~ 標高2100m空がだいぶ近い感じがします。
朝食後は、各自思い思いにコケさんぽへ出かけていきました。道草も午前いっぱいコケの写真を撮りまくって帰路へ。
イボカタウロコゴケの胞子体がとってもきれいでした。
また来年
楽しかった北八ヶ岳。おそらくまた来年も8月の終わりに開催するかと思います。この記事をみて気になった方はぜひ。
なお、北八ヶ岳では「北八ヶ岳苔の会」という周辺の山小屋が組織しているコケの会があり、こちらでもコケの観察会が定期的に企画されています。チェックしてみてください。
あっ、スマホが手放せない皆様。携帯電話の電波がほとんど入らないので、デジタルデトックスしたい方にもおススメの場所ですよ。この場所だけピンポイントで3G回線がつながりました。